2017年11月26日にEDiTで開催された『第四回作詞フェス』
Soul mArk If me君が、「北海道を作詞の名産地に!」という意気込みで企画しているイベントです。とても意欲的な取り組みだと思います。
素晴らしいイベントでした!
このイベントでは、全出演者のライブ中に歌詞がスクリーンに投影されます。
歌詞を見ながらライブを聴くと、ふだんとは違った感動がありました。
ほかにも作詞をフューチャーした様々な企画がありました(詳しくは次のリンクをご覧ください→ https://kaneai.jimdo.com/ )
その中に、課題曲に歌詞をつける、という企画がありました。
こちらは、一般から歌詞を募集したので、私も応募しました。
一般応募は18作品、出演者の作品が12、全部で30作品が集まったそうです。
曲はこちらから聴くことができます。
https://youtu.be/I5l0Q43Veh0
歌詞のテーマは、「2020年東京オリンピックのテーマソング」でした。
私が応募した歌詞は次のとおりです。
イベントでは、この曲を私が会場で歌いました。
『Get the Gold』
広がる歓声 まぶしい光
いま とうとう始まる舞台
この日のためだけにすべて
犠牲にしてきた4年間
どんな色でも いいなんてことはない
至上命題 めざすは
あー輝く金
いつだってそう
ぼくは追われて 追いかけてく
取らなきゃぼくは故郷に帰れない
*******
この曲を聴いて、まずはテーマに沿って、メロディーから連想する言葉を紙に書き出しました。
その際、前回の作詞フェスの作詞セッションでSoul mArk If me君が説明していた「いつ、どこで、誰が、誰に、、、」という書き方を参考にしました。
特に、サビの印象的なメロディーから、割とスタンダードな応援歌ができあがりました。
しかし、応募しようと思ったときに、「前回もストレートな歌詞だったし、このような内容ならほかにも書く人がいそうだなあ」と思ったので、少し視点を変えて歌詞を書こうと思い直しました。
(前回の第三回作詞フェスでも、作詞して応募し、会場で歌いました)
それで、少しひねった歌詞に書き直しました。
オリンピックのテーマソングというと色々な曲がありますが、その中でも私はMR.CHILDRENの『Gift』という曲が好きです。
この曲の歌詞は、どんな色にだって価値はある、それぞれの人に似合う色がある、という内容で、オリンピックのテーマソングでありながら、金メダルにこだわらない価値観を描いています。
こういう曲が書かれる、ということは、実際には金メダルにこだわる風潮がある、ということだと思い、「金メダルを取ることを期待されている選手」の気持ちになって歌詞を書いてみました。
ちなみに、時間がなかったので1時間で書いた歌詞です。
場面は、オリンピックの競技場。
まさに、競技が始まろうとしているところ。
大きな歓声とまぶしい照明に照らされて立っている主人公。
このオリンピックの日に照準を合わせ、4年間ひたすらに努力してきました。
そして、ミスチルの曲とは反対に、どんな色でもいい、ということはなく、「金メダル」を取ることを全国民に期待されています。
金メダル獲得は「至上命題」
ここのメロディーには、4文字熟語を使ったら面白そうだと思って使いました。
その前の歌詞「いいなんてことはない」と韻を踏んでいます。
(後で調べてわかったのですが「至上命題」は誤用で「至上命令」が正しいそうです。申し訳ありません。日本語って難しいですね)
このBメロのメロディーや譜割りはちょっと変わっていて、歌詞をつけるのが難しかったのですが、なんとかリズミカルに歌える歌詞になったと思います。
そして、サビで転調します。
ここの歌詞をどうするか、作詞した人によって個性が出たと思います。
私はBメロの終わりとサビを繋がる歌詞にしてみました。「めざすは、、、輝く金」という箇所です。
その方がBメロからサビにかけて勢いがつくと思ったからです。
サビの最初のメロディーは「あー」とか「おー」といった言葉がぴったりだと思いました。
Bメロの歌詞からサビにかけて繋がった歌詞なのに、その間に「あー」と入れる。
文章で読むと違和感がありますが、歌詞になると違和感はないんですよね。インパクトが出るかなと思って使ってみました。
それは「輝く金」という歌詞を強調したかったからです。
そして、主人公は、金メダルを取ることを期待され過ぎて、他の選手や応援してくれる人たちに追いかけられているようにも感じるし、金メダルやライバルを追いかけているようにも感じる。
心の中は混乱した切羽詰まった状態になっている。
そして、金メダルを取らなかったら、故郷に帰れない、というぐらい追い詰められている。
ここも「取らなきゃ」の部分のメロディーが強調されているので、主人公が強く思っていることを当てはめました。
最後の歌詞ですが、元は「日本に帰れない」としていて本番でもそう歌ったのですが、「東京オリンピック」がテーマなので、おかしいですよね。
歌ったあとに「故郷に帰れない」に変えました。
Soul mArk If me君の書くメロディーはなかなか個性的で歌詞をつけるのが難しいです。
このイベント出演アーティスト10組も課題曲に歌詞を書いて歌ったのですが、結構、元のメロディーと変えていた人が多かったです。
私は比較的、元の譜割りどおりに歌詞をつけた方だと思います。
もともとのメロディーが持っているよさを引き出せる歌詞、歌って違和感のない歌詞を書くよう心掛けています。
(「譜割り」とは、メロディーの音符に対する歌詞の当てはめ方のことです。基本的には一つの音符に一音の言葉を乗せますが、一つの音符に二音以上乗せる場合もあります。
また、一連のメロディーのかたまりの区切れと歌詞の区切れを合わせるのが基本的な譜割りのやり方です。これをわざと崩す歌詞の書き方もあります)
ギターを弾いてくれた伊藤新さんには、「譜割りを原曲どおりにしてくれているので、ギターを弾いていて気持ちよかった」と言ってもらえました。
とてもうれしかった!
また、私の歌を初めて聴いた人に、「杉野さん、うまいですね」と言ってもらえたんですが、そんなことはないです。
ほんとただの素人なのにシンガーさんたちのあとに歌うのは緊張するし、しんどかった(~_~;)
聴いている方に申し訳なかったです。
あの場で歌うのは2回目だったので、前回ほどは緊張せずに歌えましたが、、、
歌詞も印象的だったと言ってくれる人がいました。他の人と違う視点で書いた歌詞だったからでしょうね。
イベントは盛りだくさんな内容で、出演アーティストも豪華で楽しかったし、勉強にもなりました。
この作詞フェス、継続してもらって、本当に北海道が作詞の名産地になればいいなと思います。
Soul mArk If me君、出演者さんたち、スタッフのみなさん、お疲れさまでした。