最初に断っておきますが、私はアンチ「ガールズバンドクライ」というわけではありません。
辛口の批評になってしまうのは、このアニメのリアリティラインから考えてしっくりこないところ、矛盾しているところがどうしても気になるから。
比較して申し訳ないが、「ぼっち・ざ・ろっく!」はギャグシーンやデフォルメキャラが出てくることで、ひとりちゃんや他のキャラクターの性格もデフォルメされていると感じとれるし、少々ストーリーや演出が飛躍しても受け入れやすい。
対して「ガールズバンドクライ」はリアリティラインは比較的高め。ギャグ要素やデフォルメはほとんどなく、SFやファンタジー要素がない分、新海誠監督作品よりもリアリティレベルは高いと思う。
それはそれでいいことだと思う。
リアリティラインが高いほうが、一般視聴者にも受け入れやすくなる。
気になるのは、楽器や演奏の描写もリアルだから、ストーリーや演出もリアルでないとバランスが取れないと感じる点。
この辺りのバランスの取り方が、どうもチグハグな感じがする。
今、私が感じているようなモヤモヤは、すごい展開や素晴らしい感動があれば、簡単に跳ね返せると思う。それは曲とアニメのレベルの高い融合によって実現できる(例として、マクロスFを挙げておく)。
今後、そのような展開になることを期待して視聴している。
第一話感想
https://dreams2013.hatenablog.jp/entry/2024/08/21/233210
第二話、第三話感想
https://dreams2013.hatenablog.jp/entry/2024/08/22/072008
さて第四話の感想です。
(若干のネタバレを含みます。ご了承ください)
冒頭では、初ライブ後の仁菜が舞い上がって、楽器店で妄想している姿が描かれる。
さて、実際に初ライブを終えた出演者はどう感じるのか。
私が見たり聞いたりした限りでは、もっとも多いのが、「緊張していたので、何も覚えていない」という答えだ。
次に多いのは、「歌詞が飛んでしまった」「演奏でミスした」と失敗に落胆する人。
その次は、初ライブの動画を見て、「自分ではうまく歌えたと思ったのに、全然ダメだった」と客観的に振り返って落ち込む人。
「楽しかった」とか「うまく歌えた」と満足する人は少数派だ。
仁菜の場合は、人前で歌うということに興奮を覚え、自己表現できたと感じているようだ。
初ライブの動画を自分で見た上でそう感じていたようなので、すごい自信家だと思った。
人前で歌うことに向いているのかもしれない。
一方で、気になる点が2つ。
実際にはこのタイプは自己満足度が高く、自分の足りない点、改善すべき点が見えていないので、伸びない可能性が高い。自分の歌や演奏に満足しない人の方が伸び代がある。
もう一点はこの作品での仁菜の扱い方で、最初から成長する必要もない完成度で歌えると描いている可能性。
以前から指摘している、この作品では努力よりも才能が重要で、仁菜にはシンガーとしてのチート能力があると描いている可能性だ。
これは、これでもいいといえばいいのだが、視聴者の共感は得難いのではないかと危惧している。
それと、ギターを弾きたそうな仁菜に対して桃香は「歌が疎かになる」と言って反対する。
これは一理あると言えばあるが、ギタリストがギターを弾きたいという人を断ることは、実際にはほとんどないと思う。
ギタリストは、誰かがギターに興味を持ってくれたら、めちゃくちゃうれしいのだ!(それはギターに限らず、ベースもドラムもそう)
自分が使ってないギターを貸して、手取り足取り教える、、、
普通はそうなると思う。
シンガーとしても、楽器を経験していた方が絶対によい。ライブでギターを弾くかどうかは別にして、楽器を演奏すればコードやリズムを意識するようになる。その分、歌もよくなる。
ギターが弾けるようになれば、曲作りもできるようになる(アプリでもできなくはないが、ロックバンドならギターで作曲したほうがいいと思う)。
ライブではギターが2本になると音に厚みが出る。ギターソロのときにもう1本ギターがあれば、音がスカスカにならずにすむ。ボーカルの仁菜はイントロ、桃香のギターソロ中、アウトロだけギターを弾けば歌が疎かにならずにすむ。
仁菜がギターを弾くメリットの方が多いと思う。
その後、スタジオに入る。オリジナル曲「声なき魚」をレコーディングしているようだ。
譜面が用意されていないのが気になった。
仁菜は歌詞を覚えている?桃香はかなり細かい指示をしていたから、譜面(または歌詞カード)にメモした方がいいと思った。
さて、この回では桃香とすばるという2人のキャラクターの人物像について描かれる。
仁菜は、桃香に今のダイヤモンドダストのことをどう思っているのか、脱退に至った経緯を聞く。
この聞き方がかなりデリカシーがなく、話したくない桃香から無理やり聞き出すといった感じだ。
仁菜って、まっすぐな性格というより、相手の気持ちが考えられない厄介な性格という気がする。
これは視聴者にそう見えるようにわざとにそう描いているのだろう。
製作陣は、他人の顔色を伺いがちな若者に対し、「そんな必要はないし、自分のやりたいことをやり、言いたいことを言えばいい」というメッセージを伝えたいのだろうか?
桃香は、希望だけを持って明るい将来を夢見てバンドで上京したのだが、バンドはうまくいかず自分が脱退するという挫折を味わった。
脱退の理由は語られなかったが、どうして仁菜は聞かなかったのか。仁菜が興味を持たないわけがないのだが。
仁菜が桃香を気遣ったような描写はなかったので、脚本上の都合だろうか?
仁菜は、ダイヤモンドダストのメンバーと写っている桃香の写真を見る。
仁菜は
「桃香さん、こんな顔で笑うんですね」
と呟く。これは後のストーリー展開の伏線となっている。
その後、すばるがバンドをやめると言い出すのだが、それが祖母の訪問と関係していたことがわかる。
このすばるの脱退宣言は唐突だし、視聴者の興味を引こうという釣りにも見える。
すばるは「敵を欺くには味方から」と言っていたが少し強引だと感じた。
そして、すばるの祖母の前でエチュードの披露(ここで、祖母はすばるが俳優ではなく、別のことに気持ちが向いていると気づいただろう)。
仁菜はすばるに、芝居のセリフを通して自分の言いたいことを言う。
うーん、どうなんだろう?
すばるは仁菜に、家に来て、一緒に話そうと提案する。
いったん断る仁菜だがやっぱり行くことにする。 (これも仁菜の成長?)
すばると祖母の関係が語られる。
やっぱりすばるちゃん、おばあちゃん思いのいい子だった(完全にすばるちゃん推し!)。
仁菜は、「だけど今のままはよくないよ」とど正論をかます。
その後、祖母に本当の気持ちを話そうとしたすばるを仁菜が寸前のところで止める。
いや、お前が止めるんかーい!!
これはないよね。
すばるは、仁菜と桃香に悪態をつくがそれで許してしまう。
すばるちゃん、なんていい子!!
すばるちゃん株が急上昇、仁菜株は大幅下落という第四話でした(桃香はステイ)。